そして、ひらく扉 のバックアップ(No.5)


そして、ひらく扉 

感想

  • 須永透は北海道にある聖フランシスコ教会に席を置く神父だった。透には、かつて幼なじみの間処慎吾と禁忌を犯してしまったという過去があり、そのことから逃れるようにしてこの地に流れ着き、罪を償う為に聖職者となったのだった。あれから15年。世話になっていた間処家を後にする際に、慎吾にさよならを告げられなかったことを、透は今でも後悔していた。ある日、教会に瀕死の重傷を負った男が担ぎ込まれる。殴打された顔は人相の判断がつかぬほどに腫れ上がり、呼吸もひどく浅い。しかし透の懸命な介護で、男は意識を取り戻した。男は自らを高垣と名乗るが、本名かどうかはわからなかった。高垣の言動には謎が多く、なにより拳銃を所持していたからだ。そんな折り、刑事がとある事件の聞き込みにやってくる。刑事も高垣を不審に思ったようだが、決め手になる証拠がないため「顔の怪我が治る頃にまたお邪魔させて貰いますよ」と言い残して去っていった。献身的な看病を続ける透に、いつしか高垣も心を開くようになる。やがて、高垣の怪我が治り教会を去る日。そのとき透は高垣こそが慎吾であることを知る。慎吾は復讐のために北海道へ来たことを告げ、透に死への覚悟を仄めかした……。
de78d3b732c147d1448d03388ea7c6bf 2023-11-15 19:43:06